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うさ太郎と竜田肉号(たつたにくごう)

ep8.ジュリエッタ編







The "Giulietta"Chapter.





カルルス&マリリン。


よし!バッチリOK!


・いってきます!
・がんばれ!


私の名はジュリエッタ。なんの取り柄のないウエイトレス。
いつも失敗して怒られてばっかり。








・やぁ、ジュリエッタ。
・ハロー、カルルス。マリリンにお菓子を焼きました。


・いつもありがとう。マリリンも喜んでいるよ!
・私にはこれくらいのことしかできないから。


・How adorable!
・お!得意の“How adorable!”が出た!まったく軽いやつだ!


“How adorable!”


でも…彼は決して私には振り向かないです。


カルルスには今でも奥さんが一番だから。
四年前のあの時も…


四年前…上記旅客船「SHABADABADA」号


周知のように四年後に超大型の豪華客船が完成する予定です。
そこに乗船されるお客様は超大物です。


したがって、その接客レベルも最高級でなくてはなりません。
今日からあなた達に超一流の「オモテナシ」をビシバシ仕込みます!


シルク・ハト主任!質問があります!
このプロジェクトの重要性を考えると、ここにはエリートが選抜されていると自負しております。


ですが、明らかにこの場に相応しくない人がいます!
それはおちこぼれのジュリエッタです!




注目されてます…恐ろしい迫力です。


注目!


確かに 皆それぞれ成長の度合いは違います。
ですが、今はまだ一人も漏れなく雛鳥なのです。


全員を一流のコンシェルジュに育てるのが私の使命なのです。
私についてきたくない者は、ただちにこの船から降りなさい!


では早速ですが、スパルタ授業を始めます!
さぁ!この方はどんなお客様でしょうか?


・一等のお客様です!
・はい、正解!


・では、こんな雰囲気の方ならどう?
・二等…いえ、三等!
・正解です!
・ではこの方は誰?
・…艦長殿でしょうか?
・お名前は?


・名前…ど忘れしてしまって…喉まで出かかってるのですが…。

・まったくついていけないです…。


この写真がヒントです!




・okita艦長!(okitaとは英語でget upのこと)
・正解!


・よくわかりましたねジュリエッタ!
・嬉しいです!






そして同僚Aの嫌がらせはエスカレートしていったのである。
危うし我らのジュリエッタ。
がんばれ!
地球を救えるのは君だけだ!


SHABADABADA、SHABADABADA.




いつ見ても、海の夕日は心を打ち抜きますね。
なぜか胸に真っ直ぐに差し込んでくる。




・あ、コーヒーを一杯いただけますか?
・はい。




・おお、美味い!
・まだ飲んでないじゃないですか?


・香りでわかるんですよ。ほらね、やっぱり!
・ありがとうございます…。


・オレの名前はカルルスです。君の名は?
・ジュリエッタ。


・ジュリエッタ!いい名前だ、“How adorable!"
・名前負けですよ…私はおっちょこちょいで失敗ばかり。


そうですか?こんなに上手にコーヒーを煎れられるなら上出来ですよ。
俺なんてココアも旨く作れない。


ココアは砂糖とミルクの配分で変わっちゃいます。
溶かし方にもノウハウがあるんですよ。


・ど、どうかしましたか?
・いいえ、見とれてました。


俺はジュリエッタさんは十分に魅力的だと思いますよ。


・一生懸命にやっている姿はまるで夕陽のように胸にグッときます。
 ごちそうさま。
・あ!カルルスさん!!


・なんですか?
・コーヒー250円ツケときますね!






achoo!


ズズ…(鼻水をすする音)
※ヘレンです。


コンシェルジュの歴史。


SHABADABADA SHABADABADA.



おまけ ミニまんが

♪こんにちわ。ありがとう。魔法の言葉で楽しい仲間が
 ポポポーン♪
 ※ACジャパン 「あいさつの魔法」



↓本編の続きです。

・ジュリエッタ!何をやってるの!もう一度洗い直して来なさい!
・すみません!


フン…zama kankan kappa no he (Serbes you right)


私はどうしてドジばかりしてしてしまうのでしょう…。




















・カルルスは「TASTUTANIC」号の乗船を躊躇っているらしいぜ。
・なぜだ?エリートコースなのに?


・理由を聞いてもはっきり言わないし、
 お前は付き合い長いから心当たりないか?
・あーそうか…たぶんカルルスは…。


奥さんの病気が理由だと思うけどな。




・やぁ、ジュリエッタ。
・ハロー、カルルス。コーヒーをいかがですか?


・丁度飲みたかったところです。さすが!!!
・あのぉ…。


・四年後に完成する「TASTUTANIC」号ってどんな船なんでしょうね。
・「TASTUTANIC」号は凄いですよ!


完成すれば世界一の大きさ。
噂では沈まないと言われています。
防壁区画構造や波動タキオンエンジンなど最新技術だとか。


早く完成してほしい。男として、船乗りとして、
絶対に乗りたい夢の船ですよ!


でも…。


・オレは「TASTUTANIC」号には乗りません。
・どうしてですか?


・「TASTUTANIC」号は超長距離旅客船だから。
 一度出航するとクルーは半年以上帰れません。
・はい…。


俺にはちょっと長いです。
長すぎるのです。


カルルスは奥さんの病気が理由だと思う…。