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うさ太郎と竜田肉号(たつたにくごう)

ep10.友達になりたいんだ











うわぁ、おおきくて綺麗なお船!


・ヘレンはお船が好きなのね。
・うん大好き。


大人になったら大きなお船に乗って世界中を旅するの!








・そのままにしていなさい。
・ドクター?


上司には話を通してあるから安心して寝ていなさい。


・安静にしておるのじゃぞ。
・ありがとうございます。








ママ…。


ジュリ?


まさか…こいつがドクターを呼んだのか?









なんなのこの強風は!




豚!?


ちょ、ちょっとまってぇ。


重い、重い~!


重い…。


ZZZZZZZZ.


ジュリ起きろ!コラ!おい!
びくともしねーコイツ!




この夜、ヘレンは天使になった夢を見たという…。




ring ring ring.


ジュリ、朝だよ。
あれ?


お早うー、お早うー、お早うー。


・お早うー、お早うー、お早うー。
・お早う…。


あ!大変!寝坊した!
なぜ床がびっしょり?


そうだ!ヘレンさんは?


ドクター!!!!


・昨日の娘か?
・失礼します!






あんた、さっきから何やってんの?
早く朝食の準備手伝いなさいよ!


・すみません、すぐに手伝いますんで!
・こら、まて!


ドクターとヘレンさんの着替えを持ってきました。


・そんなに慌てなくてもいいのに…。
・いろいろありまして…。


・ヘレンさんは大丈夫ですか?
・なぜか脱水症状だ。OS1を飲ませたから時期に落ち着くだろう。


ドクターよろしくお願いします。
私、朝食の準備に行ってきます




・おかえりなさい。
・ただいま帰りました。


・私たちは朝食に入るから残りの作業はあなた一人でやりなさい!
・はい…。


♪ある日 森の道 熊さんに出会った♪(※森のくまさん)

・やぁ、お早う。僕は森の熊。オハ熊だよ!


きゃぁ、びっくりした。私を追ってきたのね?
私を食べちゃう気なのね?


違うよ、友達になって…。


・おお!目が覚めたか。気分はどうかな?
・はい、だいぶ楽になりました。


・ドクターをお呼びしたのはジュリエッタですか?
・あぁ、垂れ耳の娘だったよ。
・…お節介なヤツだ…。


ママの夢見たの久しぶり…。
元気にしてるかなぁ…手紙書こう…。






ふぁあ…眠い…。
あ!




・Msトキさん!
・もしかして。


・徹夜でヘレンの看病してたの?
 あなた弱みでも握られてるの?
・へ?何でですか?


・何でって… まぁ、いいか。そういうところも嫌いじゃないし。
・はぁ…ありがとうございます。


・それでは、ちゃっちゃとやっちゃいましょう。
・はい!


・それにしても、あのヘレンが寝込むなんてね。
・鬼の攪乱ね。


よし、完了! さて、私等も朝食に行こう!


・Msトキさん、ありがとうございました!
・やるべき事をやっただけよ


あー、お腹ペコペコ。
あ!そうだ!


・Msトキさん、先に行っていてください。
・kk!




・クラムさん、スープとヨーグルトデザートを作ってください。
・え?あぁ、ヘレンにかい?お安い御用だ。




・わぁ!おいしそう!
 クラムさん凄いです!


・食べたくなっちゃったー、でも我慢、我慢!
 さっそく持っていきます。
 ありがとうございました!


・あの娘、ヘレンにいじめられていなかったか?


それだけヘレンは、あの娘が気になるってことじゃないか?
嫌よ嫌よも好きの内って言うだろう?


・ガールズ・ラブですか?そっちに向かうんですかね?
・それはないだろう…見てみたいが…。




・ヘレンさん。
・ジュリ…。


・わたし…。
・分かってる。もう何も言うな…。


自主規制。


ぎゃああああああああああああ。


・チョークスリーパー!チョークスリーパー!
・あ…。



・とてつもなく恐ろしい夢を見たものですから…。
・熱のせいじゃないかな…。


それにしてもなぜジュリエッタが夢に…。


・ヘレンさん、ご飯…。
・うぎゃあああああああああ!!!!






・あ…あのぉ…取り込み中でしたか?きゃあ
・何を妄想してるのだ!!


ドクター何をやってるんですか?
しっかりして!


・我思う ゆえに 我あり。
・よし!
・「よし」なんですか?


・ヘレンさん、すごい寝汗だったので勝手に着替えさせていただきましたよ。

・お前のせいだ!


・今日一日安静にしておれば大丈夫。
 汗をたくさんかいて熱が体の外に出たんだろう。
・まさか!あの汗が良かったとは?


・水分補給を忘れずにな!どんどん外へ出しちゃいなさい!
・もう出ません!


・ドクターありがとうございました。
・後は任せたよ。わしは寝なおすよ。






あ、あんな所に綿埃が落ちてるわ…。


なぜ私が意識しなきゃならないの!


コラ!ジュリエッタ!!
勝手にドクターを呼んで、私を重病人扱いして!


ヘレンさん、心配したんですよ!


はうう…。


あ、あんな所にネズミの糞が…。
だから!!!!なぜ意識するのだ私は!!!!


・あのぉ…ヘレンさん、ドクターを呼び戻しましょうか?
・いらないわよ!


・ヘレンさん、クラムさんがスープとデザートを作ってくれました。
 ここに置いていきますね。


ぐーーー(お腹の音)
あらやだ…。


・ジュリエッタどこ~?
・はい!今いきます!
 では、ヘレンさん、しっかり食べてくださいね!


まったく…自分は食べてないんだわ。
私の面倒をみてるから食べる時間が無くなったのね、愚か者だわ。


本当にお節介!
本当に!本当に… アホなやつだ…。










違うよ…友達になって…。




「ジュリエッタ!早く持ってきて!」
「はい?なんでしたっけ??」

ふふふ…あいつはいつも落ち着きがないわね…。
「ジュリエッタ!テーブル違う!」
「あれれれれ」

ばーか…。


お!美味い!


あれれ…なんだかしょっぱい…。

…ちがうよ…友達に…。






















友達になりたいんだ…。